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受験生の皆さんは、模擬試験の偏差値に一喜一憂しているのではないでしょうか? 受験生の誰もが気になる「偏差値」・・・果たして「偏差値」とは何でしょうか? 僕の小学生時代、毎週土曜日に大橋巨泉氏が司会を務める「クイズダービー」というクイズ番組がありました。 5名の解答者の誰が正解するかを予想し、予想が当たればその掛け金が倍率に応じて支払われるという、 競馬を模した番組です。そこでまさに受験にちなんだ問題が出題されました。 「全国の受験生○○人を対象にしたアンケート。「地震、雷、火事、おやじ」のように、貴方にとって怖いものを 上から順に4つ挙げて下さい」という質問で、多かった解答を集計したところ、以下のようになりました。 「○○、雷、火事、おばん」。さて1位に入る言葉は何でしょうか?」という問題です。 正解はまさに「偏差値」でした。「偏差値、雷、火事、おばん」。漫画家のはらたいらさんも竹下景子さんも正解していました。 小学校4年生か5年生頃の僕は「偏差値」という言葉が初耳でこれが何なのか気になったので、両親に聞いて初めてその意味を知りました。 「何でそれが怖いの?」と聞いた記憶があります。 親は「自分の成績が気になって怖いんでしょ」と言っていたかと思います。 それに対して僕は「自分の成績が良くないことがそんなに怖いことなの?」とさらに聞き返しました。 僕が小学生時代、勉強には全く無関心でのどかな生活を送っていたことが、これでお分かりになるかと思います。 今も昔も受験生が最も気になる「偏差値」、その偏差値に一喜一憂する受験生たち。 しかしその偏差値そのものが当てにならないことも実は結構あります。 このように言うと、自分の努力のバロメーターが全否定されたようで、拍子抜けする方もいると思います。 「偏差値くそくらえで秀才たちをごぼう抜きにするこの割り切り方」というようなフレーズ、 僕はいまだに頭から離れないのですが、これは和田秀樹氏著の「受験は要領」という本の中のフレーズです。 目次には過激でインパクト絶大の言葉がずらりと並んでいて、いかにも「売らんかな」の本という気がしましたが、 それでもどうしても気になって買ってしまう、そのようなとてつもない迫力がこの本にはありました。 実は僕自身はこの本の内容には共感できる部分とそうでない部分があるので、 当サイトでは、その根拠を自らの体験談と照らし合わせながら述べていきたいと思います。 偏差値に関する和田秀樹氏の見解には、僕も全く同感です。 そもそも偏差値というのは、その試験を受けた母集団の総得点の分布を両側対称の正規分布と仮定し、 その分布に最小二乗法であてはめた場合の平均値からの隔たりを、「50」を中心として数字で示したものです。 偏差値の定義から考えれば、自分の偏差値は試験を受験した母集団中の相対学力を示すのは当然ですが、 「学力」と一口に言っても、そこには多様な異なる種類の学力が含まれることを皆さんは認識しているでしょうか。 例え1科目の偏差値が同じ2人を比較しても、2人の学力が全く違うことがあります。 例えばセンター試験で数学満点近い2人を比較して、一方は東大数学120点中80点を取れるかなりの実力者だが、 もう1人は20点も取れない、ということがあり得ます。 しかしこの2人はセンター試験数学ではほぼ同じ偏差値で、前者が僕のようにイージーミスを散発するようなタイプの場合には、 センター試験では後者が勝つことが多いわけで、いわばセンター試験と2次試験では逆転現象が起こりうるわけです。 この逆転現象は数学だけでなく、他の全ての科目で起こり得ます。 試験の難易度や傾向・内容によって、このように逆転現象が容易に起こりうるわけです。 つまり何を言いたいかというと、自分の志望校の入試問題と難易度も母集団も全く異なる模擬試験の偏差値で、 志望校に合格できるかどうかは全く判定できないということです。 センター試験で高得点を取れるから東大に合格できる可能性が高いとは判定ができないわけで、 逆もまた真ならずです。 逆に言えば、合格の可能性を判定する上で最も信頼できる方法は、 まさにその志望校の入試を受けるであろう母集団の中で、難易度や傾向が似た試験問題を受けることです。 例えば東大の場合には、駿台の東大入試実戦模試、河合塾の東大入試オープン、代ゼミの東大模試です。 これらの模試の判定は東大に合格できる可能性を最も正確に反映したものになります。 これらの模試で好成績を上げるためには、当然のことながら東大入試問題の難易度・傾向を把握して、 それに応じた学力をつけるのが一番の近道です。それ以外の一般的な問題で一般的な学力をつけるのも 大切ですが、時として回り道になる場合があり、ケース・バイ・ケースです。 初めから東大レベルの入試問題に取り組むのではレベルが高すぎてチンプンカンプンで、 かえって効率が悪いと思いますが、東大を目指すのであれば、その科目の分野が一定レベルに達したら、 少しずつ東大の過去問にも取り組んでそのレベルにならしていくことも大切です。 偏差値というものは単なる目安にすぎませんし、場合によっては目安にすらならないことを 早くから認識すべきです。どうしても東大に受かりたいのなら、東大の入試問題の難易度と傾向を把握し、 対策することで、東大の入試問題のレベルに早く慣れて、高得点を叩き出す独特の学力とコツを 身に付けることが何よりも大切です。
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